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イノベーション・適応・サバイバル:ビジネスにおける変化の波に乗る

約20年前の2007年、誰がiPhoneが大成功を収めると予測しただろうか?

特に多くの日本人はiPhoneを嘲笑した。日本独自に発展した「ガラケー」の持っている機能の方が優れている、使い易いなどと。

しかし、現在では日本独自の折りたたみ式ケータイ、BlackBerry、Nokiaなどはすべて市場から姿を消している。これこそが、変化の波に乗るということの好例であり、我々が考えるよりも、その波ははるかに速く、予測不能な方向へと進んでいく。

変化に敏感であり続け、変化に柔軟に対応し、自ら変化を起こしていく側に回るための方法について紹介します。

目次

変化への恐怖から学ぶ勇気を

我々が生きる現代社会は、絶え間なく変化する大海のようです。

その波は、かつての静かな湖から急速な河川へ、そして荒れ狂う海へと変わりました。その変化のスピードは、かつてないほどに増しています。過去と比べて、そのスピードの上昇は顕著で、その原因として挙げられるのは、我々が共有できる情報とその速度です。

先に書いたiPhone、スマホ、IT技術の進化やネットワークインフラの超高速大容量化、低遅延通信、多数同時接続により、今日では誰もが自身の試みた新しいことや、面白いと感じたことを瞬時に世界中と共有することが可能となりました。

これは我々の生活だけでなく、ビジネス環境にも大きな変化をもたらしました。個人が生産者であり消費者にもなれる今日の環境は、新たなビジネスモデルやアイデアが次々と生まれ、その一方で古いビジネスモデルは淘汰されていくサイクルを生み出しました。

しかし、このような変化の激しい時代において、我々は往々にして変化に対する恐怖を抱きがちです。

なぜなら、変化とは未知の領域への旅であり、それは必ずしも成功に繋がるとは限らないからです。そのリスクを避けて安全な場所に留まりたいという感情は、人間が生存を続ける上での本能的な反射と言えるでしょう。

しかし、我々がこれまで通りに行動し続けている限り、新たな可能性を見つけることは難しいです。

そして、そのような状況では、競争相手に取り残され、ビジネスの世界から姿を消す危険性があります。だからこそ、我々は変化を恐れるのではなく、その恐怖を歓迎し、むしろ変化を生み出す側へ回る勇気を持つことが求められます。

そしてそれは組織全体にも当てはまります。

変化を恐れ、新しい試みを避ける組織は、生存を続けることが難しくなるでしょう。一方で、変化を奨励し、新たな試みを恐れずに取り組む組織は、その変化から新たな価値を創り出し、持続的な成長を遂げることができます。

変化の波が押し寄せるビジネス環境において、我々が選ぶべき道は明確です。

それは、変化を恐れず、新たな挑戦を行うことで、自身や組織の進化を促すことです。その結果として、我々自身、そして我々の組織は、変化の波に乗り、持続的な成長を遂げることができるのです。

過去の変革のヒント – ヒップホップ文化とテクノロジー企業の変革

過去の変革を見ることで、我々は未来の変化に対する戦略を学び取ることができます。ここでは、一般社会とビジネス環境の両方からの例を挙げて、変革の過程とその成果を見てみましょう。

一般社会における変革の好例として、ヒップホップ文化を取り上げます。1970年代のアメリカ、貧困と犯罪が蔓延するニューヨーク市のブロンクスで生まれたヒップホップは、その独特のリズムとラップ、グラフィティアートといった表現形式を通じて、一部の若者から全世界へと広がりました。

これは、音楽やアートによって社会的なメッセージを伝え、世界に影響を与えるという新たな表現形式の生まれた瞬間であり、既存の音楽業界に大きな変革をもたらしました。

一方、ビジネス環境での変革の好例としては、テクノロジー企業のソニーやアップルの例を挙げることができます。

ソニーは、一時期は業績が低迷し、ブランドイメージも失われつつあった時期がありました。しかし、VAIOパソコン、液晶パネル、電池事業などから撤退し、今では誰もが持つスマホのイメージセンサーなどに代表される半導体やセンサー事業とプレイステーションや映画、音楽などのエンターテイメント事業などで新たな製品群を開発し、その危機を乗り越え、再び世界のトップブランドへと返り咲きました。

また、アップルもまた、かつては瀕死の状態から壮絶な復活を遂げました。

彼らはiPod, iPhone, App Store, iPad, Apple Watch, Vision Proといった革新的な製品を次々と発表し、世界中の人々のライフスタイルを変えるほどの影響を与えました。これらの製品は、新たな需要や様々な素人や一般人がクリエイティブ市場を創出し、消費者の期待を超える価値を提供することで、アップルをテクノロジー業界のリーダーに押し上げました。

これらの例から学べることは、新たな試みとその成功が、社会やビジネスに大きな影響を与え、そのパラダイムを変える力があるということです。

また、そのためには既存の常識や枠組みを疑い、挑戦的な姿勢を持つことが必要だということも見て取ることができます。それが、変化を起こす力の源泉であり、我々が目指すべき道であると言えるでしょう。

「常識の水槽」から飛び出す – 新たなチャレンジと成功の鈍感さ

人間は誰しもが「常識の水槽」を持っています。

その水槽は我々の思考を制限し、見通しをぼんやりとさせ、進むべき道を遠ざける存在となります。特に成功を収めてしまうと、その成功体験が思考を偏らせ、常識の水槽はますます深くなっていきます。

これは「成功バイアス」であり、このバイアスは我々が新しいチャレンジに向かう勇気を奪い、常識の水槽を更に深くします。

しかし、我々はこの水槽から飛び出すことができます。

そのためには、自身が成功したという認識すら持たず、目の前のチャレンジに夢中になり続ける必要があります。

成功の感覚を捨てて、新しいことに取り組む情熱を育て、それに没頭する。これが「常識の水槽」から飛び出すための方法と言えるでしょう。そして、これが、変革のための第一歩でもあります。

その鍵となるのは、「成功を成功とも思わないほどの鈍感なスピリット」です。自分の成功を素直に喜ぶことも大切ですが、それに囚われずに次のチャレンジに向かう、そんな鈍感さが必要なのです。

そして、その鈍感さを結果的に生み出すためには、やっぱり好きなこと、得意なことやり続けること。

さらに情熱に溢れた若者の挑戦を組織が嘲笑わず、受け入れ、鼓舞すること。これが、組織が持つべき精神性と言えるでしょう。

この「鈍感なスピリット」と組織の理解と応援が重なることで、「常識の水槽」から脱出する道が開かれます。

そしてその道は、確実に変革へと繋がる道です。だからこそ、我々は常識の束縛から解き放たれ、自由な思考を持つことの大切さを忘れてはなりません。それが、我々が未知の可能性を追求し、新たな世界を築くための鍵となるのです。

変化の唯一性とその変化を楽しむことの重要性 – 挑戦を楽しむ心の大切さ

人生は、一つ一つの瞬間がとてもユニークで、決して二度と同じ時間は戻ってきません。これを書いている瞬間、この記事を読んでくださっている瞬間も二度と戻ってきません。

その各瞬間が持つ変化という名の唯一性を理解することは、私たちが未知を迎えるための基盤を築くための重要なステップとなります。

そしてその変化を楽しむことが、新たなチャレンジへと私たちを駆り立て、私たちの心を刺激するのです。

何歳になっても、「お、興味ある」「なんか気になる」「やってみたいな」「こんなアプローチどうだろう?」といった好奇心や情熱を抱き続けることが重要。

例えそれがプライベートの生活でも仕事でも、その重要さは同じです。

何事もまずはトライすること。そして、それがうまく行かなければ、その時点で方向転換をする。この精神が、私たちの挑戦のエンジンを走らせます。

そしてその挑戦は、成功しようと失敗しようと、その結果や挑戦そのものが、結果として人類全体の利益に繋がるという意識を持つことが大切です。

それは、各個人の挑戦が人類の総知識と経験を増やす一部であり、その結果が次に続く未来の挑戦に役立つという観点からです。したがって、失敗も成功も積極的に共有することが、人類全体としての利益に繋がるのです。

だからこそ、私たちは失敗を恐れることなく、少しでも気になることは思い切って挑戦しましょう。

今日が人生で一番若い日であるという意識を持ち、それぞれの日を大切に過ごすこと。それが、挑戦を楽しむ心、そして変化を楽しむ心を育む最良の方法です。

リーダーシップの役割 – 変化を導く勇気と温度感

変化を予測し、それを歓迎し、さらにはその変化に挑戦する意欲を組織内に醸成する。これらは全てリーダーシップの役割の一部であり、組織がいかに適応し、革新し、そして生き延びるかを決定する重要な要素となります。

リーダーの役割は心理的安全性の確保にも深く関わっています。

心理的に安全な環境は、メンバーがリスクを取り、創造的なアイデアを提案し、ミスを恐れずに新たな挑戦をする場を提供します。

このような環境を形成するかどうかは、リーダーの振る舞いやメッセージに大いに依存します。リーダーが変化や挑戦を正面から受け入れ、それを奨励する環境を作ることで、組織は新たな可能性を探求し、学び、成長していくことができます。

しかし、リーダーの立場は簡単なものではありません。

成功すれば「たまたまの成功」、失敗すれば「全責任はリーダーにあり」となるこの独特の立場は、確かに厳しいものがあります。しかし、それがリーダーシップの一部であり、その難しさが逆にやりがいに繋がるのです。

そしてリーダーは、人を褒め、人を許し、自分以外の人の成功を心から喜び、物事の面白い側面を見つけること。

常に感謝の気持ちを忘れず、アイデアを人と共有し、新たな知識を求めて本を読み、具体的な行動リストを作り出す能力。

そして何より、失敗したときにはその責任を全うし、前を向いて歩み続ける強さ。これら全てがリーダーシップを形成し、組織を先へと導いていくのです。

リーダーとして最も大切なことは、全ての過程を楽しむこと。

組織運営はロールプレイングゲームのように、様々な役割を演じ、多種多様な選択をしながら進めていくものです。

そして、そのプロセスを卑屈になることなく、むしろ楽しみながら遂行することが最も大切です。なぜなら、ゲームは楽しむものであり、それが人を巻き込み、組織全体を活性化するのです。

リーダーシップは、変化を受け入れ、組織を変える勇気と行動力を持つとともに、その過程を楽しむ心を忘れないこと。それが組織を成功に導く鍵となり、また新たなイノベーションを生み出すための原動力を生み出すのです!

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この記事を書いた人

K.Komatsuのアバター K.Komatsu Creative Director

WAKOH & CO. 代表取締役
各企業や個人が持つ独自の強みと核心(DNA)を活かし、絶えず変化する世界の中で価値を創造します。和を以て、理想の実現へと導く伴走者として、企業の成長をサポートします。

オートメーション産業、IT産業、アパレル産業におけるセールス、マーケティング、コンテンツ・クリエイションの豊富な経験と実績を持ち、多角的な視点からビジネスの成功を支援します。

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